- リーダー業務は責任が重くて不安
- 自分にはリーダーは向いていないと思う
- 先生たちとのコミュニケーションが心配
こんにちは、はるです。
私は地方の病院で急性期病棟の看護師長をしています
今回は、リーダー業務に悩む看護師さんに向けた記事です。
リーダー業務って、はじめて任されるときはとても不安ですよね。
リーダーをしている先輩たちはすごくテキパキ働いているし、医者の先生たちの指示もどんどん捌いていて、自分に同じことができるのかって心配になるんじゃないでしょうか。
この記事では、はじめてのリーダー業務を不安に思っている看護師さんや、リーダー業務を始めたけど上手くできなくて悩んでいる看護師さんに、リーダーとして求められている役割や、リーダー業務のコツについて解説します!
この記事を読めば、明日からのリーダー業務に少し前向きになれるはずです。ぜひ最後まで読んでください。
リーダー業務をしていて困る>>不機嫌・怒る医者への対処法も参考にしてください。
リーダー業務で悩むのはみんな同じ
はじめてリーダー業務をはじめると言われた時、あなたはどのような気持ちでしたか?
リーダー業務をやり始めたばかりの看護師の悩みを集めてみました。
- 私がリーダーだと業務がスムーズにいかないのではないか
- 頼りないリーダーだとみんなに思われてないか
- 先輩看護師に指示をしにくい
- 自分のことに必死でメンバーのフォローができない
- 人間関係がうまくいかない
- 責任が重くて負担
リーダー業務をはじめたばかりの看護師は、こんな風に考えてリーダーのポジションを負担に思うことが多いようです。
私も同じように思ってました
私だけじゃないんですね…
こういう自分にとって大変な状況になったときに、あなたはそれをどう感じますか?
問題に取り組むときの「自分の感情に自分で気づいておく」ということは、問題を乗り越えるのにとても効果があります。
おびえたり不安を感じていると、なかなか行動することができないでしょう。反対に面白そう、やってみようと感じれば行動も積極的になります。
まずは自分自身を見る目を養って、自分が今どういう感情なのかを理解してみましょう。
そして自分一人が悩んでいるのではなく、リーダー業務をやり始める人みんなが同じように悩みを持っていると思って取り組むことも必要だと思います。
「私はリーダーに向いてない」という思い込み
わたし、リーダーってタイプじゃなくて
人をまとめるとか向いてないです
「リーダーの能力がない」「リーダーに向いていない」という思い込みは捨てましょう。
リーダーシップは、人との関係性のことです。
リーダー本人のパーソナリティと、メンバーやその集団が置かれた状況とは複雑に絡み合って、リーダー自身もメンバーから影響をうけます。
自分自身の持って生まれた能力だけでリーダーをするわけではありませんから、「向いていない」と思い込むのはやめましょう。
あなたが持っているリーダーのイメージはどんなものですか?
「トラブルをサッと解決できる」
「周りから頼りにされている」
「誰よりも仕事ができる」
よくあるリーダー像を書いてみましたが、こういうイメージでしょうか?
リーダー業務をするときに、いきなりこういう能力を求められているわけではありません。
リーダー業務を経験する中で様々なトラブル対応をしたり、患者全体を見るために広い視野が求められたり、先を見越した業務の割り振りをしたり、そういう経験を積んでいきます。
そういう経験を重ねながら、何年もかけて理想の看護師像に近づいてもらうために、いまリーダー業務を始めるのです。
はじめてリーダーをするときのコツ
基本通りに、ていねいに
自分のいまの経験年数やキャリアで、より良い看護をするために何が必要かを考えましょう。
基本をいい加減にせず、小さなことや当たり前のことを丁寧に行いましょう。
そういう毎日の積み重ねがすべての基礎になりますよ。
困っていること、悩んでいることを周りに伝えよう
患者さんの命を守りながら、自分も生き生きと仕事をするために、自分の考えをオープンにしましょう。
オープンになるほど周りは助けてくれます。
あなたの困っていることが分かりやすいと、周りもあなたを助けやすくなるのです。
日ごろから人間関係を築くようにしよう
医師へ状態報告をするときや、指示をもらう時など、緊張せずに自分の意見を言いましょう。そのためには、日ごろから話ができる関係性を築いておくことが必要です。
薬剤師や栄養士、検査技師やPTなどの他職種との関係もおなじです。
リーダーとして関わることのある人たちとは、日ごろからのコミュニケーションでお互いを認識しあっていれば、いざという時に頼みやすいし、話しやすいです。
遠慮せずどんどん助けてもらおう
最初は先輩の指導付きで仕事を覚えていくと思います。
その指導者の先輩だけではなく、他のメンバーにも助けてもらえるように、はじめから声をかけておいたり、早めに報告してもらうように依頼しておきましょう。
始めから完璧にできる人はいません。分からないことはそのつど先輩たちに聞いて、一つ一つ解決していきましょう。
大切なことは周りの人たちの協力や援助を得ることです。そして感謝やねぎらいの言葉は心から伝えることです。
私たちが患者さんと接していて、患者さんから「いつもありがとう」という言葉をもらうと、その一言でとても嬉しかったり、やる気が出てきますよね。
メンバーへ何か仕事を依頼し、その仕事が終わったという報告を受けたとします。その時にただ「わかった」「はーい」だけではなく「ありがとう」や「お疲れ様」「助かった」などという言葉をかけていますか?
自分がメンバーの立場だったらどうでしょうか。「ありがとう」と声をかけてもらった方が嬉しいし、お互い気持ちよく仕事ができ、その仕事を引き受けてよかったという思いが少なからずあると思います。
リーダーをするときには自分から積極的にコミュニケーションをとるようにして、いつも以上に感謝やねぎらいの言葉を書けるように意識してみてください。
こんなリーダーは困る?!
- 忙しいとイライラして感情的になる
- 「こんなことも知らないの」という
- 情報を独り占めしていて、伝達不足
- フォローがない。教えてくれずに後で陰口を言う
- 業務が忙しいのにリーダー業務しかしない
- メンバーの力量よりも仕事を多めに割り振る
こういう態度はリーダーとして本当に困りますよね。
周りも気を使いますし、情報共有が出来なくて仕事にも支障が出ます。
では逆に、お手本にしたい憧れのリーダーはどんな人でしょうか。
- 患者やメンバーの状況を把握している
- 全体の流れを見ながらフォローができる
- 一人でできない処置などがあれば、そのつど声をかけてくれる
- メンバ一人一人に合わせて仕事を割り振る
- 的確な判断・指示を出してくれる
- メンバーとコミュニケーションがとれる
あなたのまわりにいる先輩リーダーは、どちらのタイプでしょうか。
先輩や主任、師長など、あなたのまわりにはあなたのモデルとなるような人がたくさんいるはずです。
その中でも憧れの先輩リーダーは誰ですか?
その人の行動をよく観察すると、きっとヒントが得られるはずです。
私たちは幼い時から両親や祖父母、兄弟姉妹をモデルとして様々なことを学んで今の自分が出来ていると思います。
大人になった今も、モデルをもって意識して学んでいくと良いでしょう。
そしてあなた自身が憧れの先輩リーダーになるためには、どんな知識を蓄えてスキルをもがけばよいか日ごろから考えていきましょう。
たとえ困った先輩リーダーがいたとしても、こんなリーダーにはならないようにしようと、ある意味ではお手本になったとも言えます。
リーダーになっていくために
リーダーシップは生まれつきの能力じゃない
リーダーシップとは、目的を実現するために個人や集団に影響を及ぼすこと
生まれつきの知力・体力・感性と完全に無関係ではありませんが、基本的にはだれもが持っている力です。
リーダーシップは、子供時代から遊びの中などで鍛えられる社会的な能力です。
だから個人差があって当然ですし、学習して身につけることができますし、訓練すれば強めていくこともできるんです。
皆さんは「生まれつき看護師だった」わけではありませんよね。
看護について勉強をして、資格を取って、新人として学んで、研修などで学んだり先輩に指導を受けたりして今があります。
そして今も学び続けて、リーダー業務に悩みながらも調べて、自分を深めていますよね。
人はこうやってたくさんの能力を獲得していくのです。
リーダーシップも同じです。学習して身につけることができるので、その学習を土台として、リーダーシップを発揮していきましょう。
リーダーシップを発揮する場面
リーダーシップは人が集まる集団に見られる現象の一つです。
人の集まりを見ていると、だれがリーダーシップを取っているか、やり方はどうか、また誰とどのように交代しているかが分かります。
つまり人の集まりにはリーダーは不可欠で、状況によってリーダーは交代するのです。
しかしリーダーと指名されてもリーダーシップが取れない人、指名されていないのにいつの間にかリーダーシップを発揮している人がいたりします。
リーダーシップはその人が自分の中に持っている力なので、うまく発揮されるときと、そうでない時があるんです。
急変時のことを考えてみましょう。
新人看護師が食事を配るために病室に行って、患者の急変を発見したとします。
まずコールを押して応援を依頼しますが、その部屋に看護補助者さんがいたとします。
そうするととりあえず、新人看護師がリーダーシップを取って、その看護補助者さんに指示を出します。
でもその後、先輩看護師が病室に来たら、リーダー交代となりますよね。
このようにリーダーシップの発揮には、周りの状況把握が必要なんです。
リーダーシップは何のために必要?
リーダーシップは人が集まる集団で必要とされるものです。
その機能はふたつあります。
- 目標を達成するための機能
- 集団を維持するための機能
それぞれを説明します。
1.目標を達成するための機能
『目標を達成するための機能』は、目標を具体的にして、そこに向かう計画を立てて、その達成のための方法やコツをみんなに示します。
そしてみんなをやる気にさせて、みんなそれぞれが一生懸命に頑張れるように準備をする、ということです。
新人看護師が注射を出来るようにするための指導を考えましょう。
目標を「5月までに準備から片付けまで一人でできるようになる」と決めます。
そしてそれに向けて、指導計画を作りますよね。
まず注射の種類や部位を教え、人形を使って練習して、OKがでたら実際の患者さんへ実施する。
練習する日時など具体的な計画を立てて、そのつど方法やコツを示して、いろいろな準備をするはずです。
これは、新人看護師に対してあながたリーダーシップを発揮して指導をしているということです。
こういうことは、皆さん日常的にしていますよね。これも立派なリーダーシップなんですよ。
2.集団を維持するための機能
『集団を維持するための機能』は、人の集団が全体としてまとまっているための機能です。
人間関係を良好に保って、集団の中のコミュニケーションを改善したり促進したりしつつ、メンバーの意見や不満に耳を傾けます。
そしてそれらを調整しながら、集団の魅力を高められるように働きかけるのです。
指導するときだけではなく、普段の仕事でもコミュニケーションなしにはできないですよね。
人の集まりの中では、考え方の違うメンバーが存在します。それをまとめていかなくてはいけません。
リーダーは集団の和を大事にして、コミュニケーションを改善したり、促進したりする必要があります。
みんなの意見を聞いて、メンバーをより良い方向へと高めるように働きかけていく努力をしましょう。
緊急入院が来た時の割り振りや、お昼休憩の順番、予定外の処置が入った時の対応など、リーダーがメンバーの協力を得る場面はたくさんあります。
そういうときにメンバーときちんとコミュニケーションを取り、みんなの不満や要望を聞きながらも、スムーズに患者の治療が進められるようスタッフを導く必要があるのです。
リーダー業務に慣れないうちは、先輩に相談して一緒に考えてもらうと良いでしょう。そうしながら、先輩がどのような根拠で判断しているのかを覚えていき、徐々に自分でも判断が出来るようになっていくと良いでしょう。
効果的なリーダーシップって?
リーダーは目標を達成するために、人の集まりの中でメンバー同士の良い影響力を引き出して、さらに強くするための働きかけが必要です。
いつもほかのメンバーを、それぞれの課題を達成させる方向へと導かなくてはいけません。
たとえばメンバーそれぞれの今日の業務内容、量を把握しておいて、その進行具合をチェックしておきます。
進行が速いスタッフや業務負担が少ないメンバーを見つけて、進行が遅れているメンバーの援助をさせたり、なにかトラブルが起きかけているメンバーに対して助言をするなど、全体の把握が必要になります。
そして全体で目指している課題が達成されて、リーダーの満足とメンバーの満足が実現されると、効果的なリーダーシップだったと言えるのです。
まとめ
この記事では、看護師のリーダーシップについて紹介しました。
記事の内容をまとめます。
- リーダーシップとは影響力を及ぼす行動のこと
- 学習でき、訓練で強めることができる
- 最初から完璧にできなくて大丈夫!
- 毎日の積み重ねが大切
- 感謝やねぎらいの言葉をこころから
リーダー業務を始めることは、不安なことも多いと思います。
しかし師長はあなたの日ごろの働きぶりを見たり、主任や先輩の評価を聞く中で「あなたにリーダー業務を学んでもらう時期だ」と考えたから、始まるのです。
あなた自身の働きが評価されたのだということを分かっていてください。
いきなり上手にできるわけがありません。はじめはミスをすることもあるでしょう。
そうしながらも経験を重ねて、何年もかけて理想のリーダー像に近づいていければいいのです。
あまり負担に思いすぎず、先輩を頼りながら、がんばってみてください。
看護師をしていて悩むのはリーダー業務だけじゃないと思います。インシデントを起こしてしまった時や、怖い先輩との付き合い方、患者や家族からクレームを言われた時など、落ち込んでしまいますよね。
看護師の仕事の悩みについて対処法をまとめた>>【まとめ記事】看護師の仕事がつらいと思った時に読んでほしいも参考にしてみてください。
この記事を読んで、あなたの明日からのリーダー業務の参考になればうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。