● 患者さんの命を預かっている責任が重くてツラい
● 看護師は続けたいけど、人が死なない職場で働きたい
● 命にかかわらない仕事ってどんな仕事があるのか知りたい
こんにちは、はるです。
私は地方病院で看護師長をしています。
私は最初に就職した総合病院の集中治療室を退職するときに、師長にこう言って辞めました。
『人が死なない職場で働きたいです』
当時は高度な医療の現場にいつも恐怖を感じていて、未熟な自分が患者を担当することの不安にも疲れてしまい、こういう表現になったんだと思います。
人の命にかかわる仕事の責任の重さは、本当に大変です。
この記事では、看護師資格を持っていても『命にかかわらない仕事』を希望して転職したいと思っている人に、転職先の選択肢を紹介します。
命にかかわる仕事だけが看護師の仕事ではありません。自分にあった職場を見つけて、やりがいをもって楽しく働いてもらいたいと思います。
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他にも、単発派遣で命に関わらない仕事をした体験談もまとめていますので、興味があれば読んでみてください。高時給のお仕事も紹介していますよ!
関連記事:【時給1900円】看護師デイサービスの単発派遣バイト体験談
関連記事:【時給1,600円】コロナ相談コールセンターの単発派遣バイト体験談
また、そもそも看護師を続けず別の仕事を考えようと思っているのなら>>看護師を辞めたい?|看護師以外の仕事を探してみた結果の記事も参考にしてください。
命に関わらない仕事の条件
看護師の職場の中で、『命に関わらない仕事』かどうかを判断する条件は、次の4つです
- 急変が少ない
- ミスが命に直結しない
- 処置が少ない
- 忙しすぎない
急変が少ない
患者の急変が怖くて、何度も見に行ってしまいます
急性期分野で働いていると、常に急変への恐怖がありますよね。
重症患者がいないことや、急変リスクが低いことは、命に関わらない仕事かどうかの大切な条件です。
急変リスクのある患者の対応は精神的な負担が大きいですし、救命できなかった場合に看護師が受ける精神的なダメージも大きいです。
命に関わらない仕事を探す場合、急変が少ない現場かどうかを必ず確認しましょう。
ミスが命に直結しない
人は必ずミスをします。しかし、たった一度のミスで患者の命を奪ってしまったら・・・、と考えると、とても恐ろしいですよね。
夜勤明けの朝は、ボーっとしてるからミスしやすいですよね
私が初めての転職をした理由も、ミスが許されない緊張感に疲れてしまったことが原因でした。
例えミスをしたとしても、それが患者の命に直結するような業務ではないことは、命に関わらない仕事かどうかを判断する条件のひとつです。
処置が少ない
注射や点滴、傷の処置や医師の処置介助など、患者の命に関わるような処置がほとんどない職場であれば、命に関わらない職場といえるでしょう。
医師の処置介助での緊張感も苦手です
業務の中で、処置をおこなう頻度や回数が少ない職場を探しましょう。
患者に処置が必要な状況になれば、その対応ができる病院や施設へ移る体制になっていれば、大丈夫です。
忙しすぎない
忙しすぎてバタバタしている職場は、ミスが起きやすいですし、異常にも気づきにくいため、命に関わる事態になる恐れがあります。
しっかり確認する時間も取れないような忙しい職場は、命に関わらない職場とは言えません。
休憩がきちんと取れない、残業がある職場は、忙しすぎる職場です
担当の転職エージェントに確認してもらったり、面接時に質問して確認をしましょう。
命にかかわらない看護師の職場:9選
クリニック
診療科にもよりますが、入院ベッドを持たない個人経営のクリニックであれば、命にかかわる処置が行われることはありません。
基本的にすぐ近くに医者がいて、その周辺の診療補助の業務を行うのが仕事です。
バイタルサインの測定と、指示された注射をする。あとは検査の介助と診療の介助が主な業務です。
- 残業なしでプライベートを充実させたい人
- 地域の人たちに密着した看護がしたい人
- お話好きな人
- 採血や注射がイヤじゃない人
- 看護業務以外の雑務をするのがイヤな人
- ルーチンワークが苦手な人
- コミュニケーションが苦手な人
クリニックには、週に何度も通ってくる常連患者さんがいます。
そういう方たちと親しくお話をして関係を築くことも、業務の一環です。
お喋りが好きで、地域の人たちとのコミュニケーションが苦痛じゃなければ、クリニックが向いています。
看護処置では、注射や採血、検査介助が多いですが、それ以外の複雑な看護処置はありません。
記録もほとんどないので、病棟勤務とは大きく違いますよ。
産業看護師
産業看護師は、企業に就職して医務室に勤務するお仕事です。
仕事内容は、社員の生活指導や健康診断の管理が中心で、ほとんどがデスクワークです。
傷の処置や点滴をする機会は、ほぼありませんよ
命にかかわる処置や病気の患者と関わる仕事を避けるなら、とてもいい選択肢だと思います。
- 看護処置をやりたくない人
- デスクワークは嫌いじゃない
- 土日・祝日を休みたい、定時で帰りたい
- デスクワークばかりはイヤ
- PC作業が苦手
基本的には、病気の治療をするところではありません。
健康診断の結果から生活指導をしたり、再検査を受けていない人に連絡をして検査を促したりします。
同僚の人数も少なく、2~3人で働いているところが多いです。その分、人間関係は濃密になりますよ。
産業看護師になりたい人にとって一番の課題は、求人数が少ないことです。
私もしばらく求人を待っていましたが、なかなか近場で求人がありませんでした
複数の転職サイトに登録をしておくことと、対象エリアを広くして探すことが必要でしょう。
おすすめの転職サイトについては>>【看護師】転職で本当に役立ったおすすめ転職サイトと転職エージェントの記事でまとめています。
検診センター
検診センターでのお仕事も、予防医学の分野です。命にかかわる処置をする機会は、ほぼないでしょう。
問診を取ったり、身長・体重測定や、採血検査、心電図検査を行います。
基本的には全て予約制なので、「予定外に急に忙しくなる」ということはありません。
- 土日・祝日はしっかり休みたい
- 採血ができる
- 人とのコミュニケーションは好き
- 知らない人とのコミュニケーションが苦手
- 採血は苦手
夜勤がないので、給与は病院勤務より下がってしまいます。
その分、土日やお正月、ゴールデンウィークなどの連休も、カレンダー通りに休めます。
家庭生活やプライベートを重視したければ、検討してみると良いでしょう。
治験コーディネーター
治験コーディネーターは、治験施設に就職して新薬の開発に携わる仕事です。
医師と治験者の間で橋渡しをしたり、報告書の作成やデーター入力などのデスクワークも行います。
処置の介助や点滴をする機会はありません
患者さんに治験のスケジュールや新薬に関することなどを説明する機会が多いので、説明スキルが必要となります。
- 人と話したり、説明するのが嫌いじゃない
- 専門性の高い仕事に興味がある
- 新しいことを勉強してみたい
- 全く知らないことを勉強するのはイヤだ
- 人と話すのが苦手だ
治験コーディネーターは研修や勉強会に参加して、様々な新しい知識を身につける必要があります。
最初に研修でしっかり教えてくれるので、未経験でも大丈夫みたいですよ
時には時間外に研修会があったり、治験者の都合に合わせた時間に説明を行うこともあります。
基本的には残業は少ない仕事ですが、全くないわけではないようです。
専門性が高く、資格試験などにチャレンジすることもできるので、スキルアップしていくことができます。
そのため給与も高めなのが特徴です。学びながら成長していきたい人にぴったいですね!
デイサービス
施設や病院でおこなうデイサービスで働く看護師です。
この仕事も基本的には状態の安定している高齢者が対象なので、命に直結する業務はありません。
バイタルサイン測定や、簡単な褥瘡処置、胃ろうからの経管栄養管理、薬剤管理、看護記録などが主な仕事です。
- お年寄りと接するのが好きな人
- 看護業務の経験を活かして働きたい人
- 夜勤がない仕事をしたい
- お年寄りと接するのが苦手
- 他職種と協力できない人
看護師は1~2人しかおらず、あとは介護士と共に働きます。
介護士の人数の方が多いので、その人たちと協力しながらの業務になります。
病院とは違って介護士さんの方が多いので、介護士さんの都合に合わせながら動くことも大切ですね
きちんとコミュニケーションをとって、協力し合える関係が作れれば、安定して長く働ける職場になります。
出産後に復職しても、子育てしながら続けていくこともできるので、長く安定して働ける職場を探している人なら、候補に入れておくべきだと思います。
私がデイサービスでの仕事を体験した記事もあるので、良かったら参考にしてください。
保育園
子供が好きな人におススメなのが、保育園の看護師です。
主な仕事は職員と子供たちの健康管理ですよ
定期的に健康通信のようなお便りを発行したり、園児が体調を崩した時の初期対応をしたりします。
その他はほとんど保育士と一緒に働くことになるので、けっこう体力が必要な仕事です。
それと園に看護師が一人しかいないので、相談相手がいなくて不安だったり、業務内容がはっきり決まっていなくて保育士の業務との境目が分かりにくいことがあるようです。
- 子供好き、子供とのコミュニケーションが得意
- 体力がある人
- 残業なしで私生活を優先したい人
- 子供が嫌い
- 一人での業務はイヤ、相談相手が欲しい人
看護師としての業務は少なくて、保育士と一緒に子供の保育をする時間が多いです。
子供が好きな人じゃないと務まらない仕事ですが、求人はけっこうあります。子供好きな人は検討してみてください。
美容形成
美容形成の分野も、すぐに命にかかわるような状況はありません。
そして給与水準が高いことが多いので、おすすめの転職先と言えます。
私も働いたことがありますが、給与は高かったです!
私が働いていたところは完全予約制だったので急に忙しくなることもありませんし、施設もキレイで、患者さんも美意識の高い方が多くて上品で、とても働きやすかったです。
ただし一般病棟しか経験がなかった私には知らない言葉が多くて、それなりに勉強は必要でした。
- 美容に関心がある人
- 接客が嫌いじゃない
- 手術や処置の介助がイヤじゃない
- 接客が苦手
- 美容にまったく興味がない
- 手術や処置を見るのが苦手
私が働いていたクリニックでは、その月の業績に合わせて手当てが出ていました。
そのため患者さんに新しいコースをおすすめしたり、販売している化粧品を紹介したりして、業績を上げていました。
また患者さんとの接客も重要で、常に丁寧な対応が求められました。
そういうコミュニケーションが苦手な人だと、ちょっと辛いかもしれません。
しかし営業成績の良い看護師さんだと、かなり高額給与をもらうことも可能です。
美容形成は手術や処置があり、その介助業務もあります。ただし命にかかわるような手術はありません。
美容外科に特化した求人サイトもあります。
興味がある方は無料登録だけしてみて、求人情報をチェックしてみてください。
実際の給与や休日などのイメージがつきやすいと思います。
訪問入浴
訪問入浴は、寝たきりの人や一人でお風呂に入れない人の自宅に行き、入浴を援助するサービスです。
基本的には看護師は1名と介護士2名でチームを組み、訪問入浴車に乗って巡回してサービスをおこないます。
日ごとにチームを組む介護士は変わりますが、一日同じメンバーで働くので、コミュニケーションをとって協力し合うことが必要です。
1日だけのチームですが、協力し合えれば楽しく働けますよ
看護師は患者さんの体調を確認して入浴できるかどうかを判断し、皮膚状態の観察や入浴後の処置(軟膏塗布や傷の処置など)をおこないます。
それなりに体力が必要な仕事です。
- 体を動かして働くのが好き
- 患者や家族とのコミュニケーションがとれる
- 体力がない
- 協調性がない、気配りが苦手
訪問入浴では利用者さんの自宅でおこなうので、患者さんやご家族との協力が必要です。
お風呂上りにどの軟膏をどこに塗るのか、どの洋服を着るのかなど、利用者さんやご家族と相談しながら進めていくため、気配りやコミュニケーション能力が必要になります。
その家ならではのルールもあるので、ご家族との関係が一番大事かも…
しかし終わった後は「ありがとう」という言葉を直接言ってもらえる、やりがいのある仕事です。
お風呂に入って気持ちよくなった利用者さんが見せてくれる笑顔は、こちらも嬉しい気持ちになれます。
やりがいのあるお仕事をしたい人は、転職先の候補として検討してみてください。
地域連携室で働く看護師
病院や施設の地域連携室に勤める看護師です。入退院支援看護師と言います。
施設や病院との間で患者情報のやり取りをして、入院や退院などの準備や調整を行います。
そして地域の高齢者支援センターやケアマネージャーと一緒に、安心して在宅生活が出来るようにサービスの調整をお手伝いします。
処置の介助や点滴をする機会はありません
基本的には全て電話でのやり取りで、デスクワークが中心です。
- デスクワークが好きな人
- 気配りができる
- 患者さんやご家族の役に立ちたい
- 残業や休日出勤がない仕事が良い
- 体を動かして働きたい
- 人とのコミュニケーションが苦手な人
看護師としての知識を生かしながら、患者のケアや処置を行うことのない職場です。
患者の病院受診や入院のお手伝いから、退院後の生活環境の調整までをサポートするので、患者やご家族からとても感謝されてやりがいを感じられます。
デスクワーク中心の仕事をさがしている人にはぴったりの職場だと思います。
地域連携室での仕事については>>地域連携室で働く看護師になる?|処置やケアのないデスクワークが魅力に詳しくまとめているので、興味があればそちらを見てください。
命に関わらない仕事をするメリット・デメリット
看護師として働く際に、命に関わらない仕事を選ぶメリットとデメリットを紹介します。これらを両方知ったうえで、仕事を選ぶようにしましょう。
命に関わらない仕事につくメリット
- 精神的に安定する
- 患者や同僚に優しくなれる
- 仕事を楽しめる
精神的に安定する
急性期で命に関わる仕事を続ける環境は、緊張状態が続くため、精神的に負担がかかります。不眠や頭痛など、身体の症状に出てしまう人もいるのです。
疲れがたまってしまい、やる気が出なくなったり、無気力になってしまう場合もあります。せっかくの休みの日も、疲れをとるために寝て過ごしてしまう人もいるのではないでしょうか。
命にかかわらない仕事であれば、精神的な負担がグッと軽くなります。
精神的に安定すると、規則正しい生活が送れるようになり、生活の質も向上できますよ!
患者や同僚に優しくなれる
命にかかわる現場では、一つのミスや見落としが許されないため、先輩は後輩を厳しく指導します。
また、生死の境で戦っている患者さんやご家族の前で笑顔を見せることは不謹慎なため、職場での笑い声や笑顔は少ないです。
しかし、命にかかわらない仕事の現場であれば、ちょっとしたミスに対して泣くほど叱る必要もなく、仕事を覚えるまでゆっくりと教える余裕もあるため、同僚や後輩に優しく接することができるようになるのです。
そのような心の余裕から、患者さんへの対応も優しく穏やかにできるため、職場の雰囲気が明るくなります。
仕事を楽しめる
ピリピリした職場の緊張感がなく、先輩や同僚とも優しく仕事ができる環境のため、仕事を楽しく感じることができます。
もともと患者と関わる仕事として看護師を選んだ皆さんなので、余裕がある環境での看護は心から楽しめるでしょう。
やりたかった看護について考えたり、知識を深めるために勉強したり、自己研鑽を考える余裕も持てるはずです。
命に関わらない仕事につくデメリット
- 給与が減る可能性がある
- 変化が乏しくマンネリ化
- スキルが下がる
給与が減る可能性がある
急性期で夜勤までバリバリ働くことに比べると、命にかかわらない仕事を選ぶ方が給与が下がる可能性があります。厳しい環境での仕事の方が、給与が高く設定されているためです。
ただし、命にかかわらない仕事の中でも、専門的な知識が必要になる職種では給与は高い場合もあります。そのための勉強やスキル獲得は必要ですが、給与を減らしたくない場合は検討してみましょう。
変化が乏しくマンネリ化
命にかかわらない仕事のなかには、ルーチンワークが多い仕事もあります。
毎日新しい入院患者に対応して命を救う緊迫感のある日々に比べると、変化に乏しくマンネリ化を感じる場合もあるかもしれません。一度覚えてしまえば仕事は楽ですが、長く続けるには退屈だと感じてしまう場合もあるでしょう。
楽であることや簡単であることだけを重要視せず、仕事に何を求めるのかを考え、自分が求める条件に合う仕事を探すようにしましょう。
スキルが下がる
命にかかわらない仕事を続けていると、急性期の現場で働くための知識やスキルを失ってしまう場合があります。スキルは努力して再び身につけることができますが、自信を失ってしまうことも多いのです。
少なくとも、使わない知識は忘れてしまいますし、処置の介助や注射の手技は腕が鈍ってしまうでしょう。転職には、その覚悟が必要になります。
転職エージェントの利用がおすすめ
転職先を探すときには、複数の転職エージェントに登録しておくのがおススメです。
常に自分でたくさんの求人をチェックするのはとても時間がかかって、効率が悪いです。
担当のエージェントに希望条件を伝えて、紹介してもらいましょう。
一つの転職サイトだけだと多くの求人情報をカバーできませんし、担当エージェントと相性が悪いと転職活動自体がスムーズに進みません。
複数に登録しておいて、よりよい求人情報を見つけることと、より相性の合う転職エージェントを見つけることが、転職成功への道です。
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まとめ
看護師として働きながらも、命にかかわらなくていい職場を9つ紹介しました。
私自身も集中治療室での経験から「人が死なない職場で働きたい」という気持ちになって退職した経験があります。
新人でも、ベテランでも、自分が働きたい職場で働くことができます。
看護師だからといって、みんなが命を救う現場で働かないといけないわけではありません。
それぞれの役割で求められている仕事をすれば、必ず人の役に立てるし、自分自身もやりがいをもって生き生きと働けるはずです。
あなたの仕事選びにとって、少しでも参考になったら嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。