● 仕事で疲れてるのに、いつ勉強したらいいの?
● 学生は卒業したのにずっと勉強しないといけない?
● 勉強が苦手!どうしたらいいの?
こんにちは、はるです。
私は地方病院で看護師長をしています。
今回は、新人看護師さんの勉強方法について解説します!
新人看護師として働く日々では、毎日新しいことを見て、新しい患者さんと出会って、知らないことばかりです。
薬の作用・副作用、疾患ごとの治療の流れや看護の注意点、検査のやり方や正常範囲、処置の必要物品や手順など。
覚えることはたくさんあります。
看護学校であんなに勉強したのに、まだ勉強するの?
新しい環境でその日の仕事をするだけでも疲れてしまうのに、どうやって勉強したらいいのか。何から勉強するのか。
勉強のやり方が分からなくて困ってしまう新人さんもいますよね。
この記事では、なんで看護師になっても勉強しないといけないのか、そして働きながらでも勉強を続けられるコツや勉強方法を解説します。
私は毎年、新人看護師を受け入れている病棟で師長をしています。
新人の教育に関わってきた経験から、アドバイスします!
師長として、教育担当者やプリセプターと一緒に新人の教育方法を考えてきた経験から、三日坊主にならない新人看護師の勉強方法について解説するので、ぜひ役立ててください。
新人看護師さんにはこちらの記事>>【新人看護師】職場を居心地よくするための5つのワザもおススメです。
学生を卒業したのに勉強するの?
看護師の仕事は人の命にかかわる仕事なので、高度な専門的能力が求められる仕事です。
看護学校での勉強だけじゃ足りないってこと?
新しい治療はどんどん開発されるので、勉強はずっと続ける必要がありますよ!
科学や医療はどんどん進歩しているし、社会的な価値観も変化していて、健康上のニーズは多様化しています。そのニーズに対応するためには、新しい知識や技術をどんどん取り入れていくことが必要になります。
プロとして自分の能力を保ったり、新しい知識を身につけたりするために勉強を続けることは、看護師としての責任なんです。
どんな職業でも、専門職として働く人たちは、生涯学び続けることが求められるのは同じですよね
日本看護協会でも、看護師として働く人たちが継続して勉強できるように、いろいろな継続教育のプログラムをおこなってくれています。
私たちは自分一人で勉強するだけじゃなくても、看護協会の研修や、専門分野の学会・研修会などの学べる機会を活用して、プロとして成長できるように努力を続ける必要があるんです。
法律でも、看護師が勉強を続けるよう決められています
保健師、助産師、看護師および准看護師は、免許を受けた後も、臨床研修等を受け、その資質の向上に努めなければならないこと
保健師助産師看護師法
・病院等の開設者が、新人看護職員研修の実施や、看護職員が研修を受ける機会の確保のため、必要な配慮をおこなうように努めなければならないこと
・看護職員本人の責務として、免許取得後も研修を受けるなど、自ら進んで能力の開発・向上に努めること
平成22年から、新人看護職員研修が努力義務となっています。
すごい!
看護師は勉強するようにって法律にも書かれているんだ!
命にかかわる仕事をするためには、学び続けることが必要なんですね。
新人看護師の勉強は予習と復習
では、新人看護師さんの勉強方法について、具体的に解説していきます。
勉強って言ったって…
問題集を解いていくわけじゃないですよね?
新人看護師の勉強方法の基本は、予習と復習です!
あした担当する患者さんの病気について、観察項目、アセスメントのポイント、検査データの見方を予習する。
そして当日に見学したこと、教えてもらったことを振り返って復習する。
この繰り返しをしながら、知識を増やしていきます。
少なくとも最初の半年間くらいは、毎日新しい疾患や検査、処置、薬などを見学したり教えてもらう日々が続きます。
それらを一つずつ調べたり、聞いたことをまとめていくだけで精一杯になるでしょう。
まずは復習を続けることを目標にしましょう。
看護師をしながら勉強するやり方
ここからはより具体的に、いつ、どこで、どんなやり方で勉強するかを解説します。
勉強する時間をつくる方法
「勉強する時間がない!」という気持ちはよく分かります。
毎日忙しいし、クタクタですよね。
看護師1年目は、看護学生の時よりも忙しい毎日になります。帰りも遅いし、疲れ方も学生の頃とは比較になりません。
勉強はしたいけど、時間が確保できない~!
勉強時間をつくるのが難しいのは、私もよく分かります。
私もICUに異動になったばかりの頃、2~3時間しか寝ないで勉強して、仕事に行っていた時期があります
しかし、睡眠時間を大きく削ってしまうと、仕事中に集中できなかったり、翌日は全く勉強できずに眠ってしまったり、結局うまくいきませんでした。
そのうえ、そこまで自分を削って勉強する日々につかれてしまって、仕事がイヤになっていまいました。仕事のために勉強しているはずなのに、それがツラくて仕事をしたくなくなるなんて、意味が分からないですよね。
勉強よりも、翌日の勤務の方が大切だということは大前提です。
仕事をしながら勉強をするためには、毎日の習慣に勉強時間を組み込むことが必要です。
勉強する時間と休む時間をきっちり分けて、メリハリをつけた方がモチベーションが保ちやすいのでおススメです。
たとえば、日勤の仕事の後だと時間もないし、疲れているのでやる気も出にくいですよね。
それでも30分でいいので、ノートを開きましょう。簡単な調べものだけしたり、仕事中に雑にメモしたものを清書するだけでも良いです。自分の中のハードルを下げて、少しでもいいので取り組みましょう!
日勤で残業した日などは、10分しかやらない日もあります
それでも全くしないよりはマシ!と思ってやっています
夜勤の日には、夜勤に行く前の1時間は勉強にあてやすい時間です。昼頃に起きて、1時間くらい前日の復習を今日のための予習をしましょう。
休みの日は、あらかじめ勉強する日としない日を決めておくのも良いですね。勉強をする日はきっちりやって、休むと決めた日はしっかり休みましょう。
私の場合は、勉強をすると決めた日でも、4時間くらいやったら飽きてしまい、勉強が続けられなくなります。その状態になったら、思い切って勉強を諦めています。その代わり、遊ぶと決めた日でも必ず少しは勉強を取り入れています。
私は遊ぶと決めた日は午前中に1~2時間だけ勉強をして、昼から遊びに出かけます!
自分に合った時間の使い方を見つけましょう。
勉強すると決めた休日は疾患の勉強や、時間のかかる調べものをしましょう。
夜にやる気が出ない時はすぐに寝て、朝すこしだけ早く起きて勉強するのもおススメです
勉強する場所を工夫しよう
私は自宅で勉強していると、ついスマホを触ったり、テレビをつけたりしてしまって、集中できませんよね。
そこでお勧めなのが、勉強する場所を変えることです
場所を変えると気分が変わり、勉強へのモチベーションをあげられます。
そこでお勧めなのが、勉強する場所を変えることです
私は図書館の静かな空間も好きなので、休みの日にときどき行きます。うちの近所の図書館には自習スペースがあって、学生さんや年配の人など、いろいろな人が参考書を広げて勉強しています。
みんな勉強している環境は、自分の勉強も進みやすいですよ!
カフェやファミレスなど少し人の声がする空間も、意外と集中できるので好きです。
こどもの頃、自分の部屋よりも母親が家事をしている近くで勉強した方が集中できてたのと似ていますね!
カフェで好きな飲み物やスイーツをご褒美として勉強すれば、自宅よりも気分がリフレッシュされて頑張れます。
他にも、仕事帰りにマクドナルドに寄ってハンバーガーを食べながら復習して帰れば、家に帰ったらお風呂に入って寝るだけです。
うまく場所を変えて気分を変えながら、勉強へのモチベーションを保っていきましょう!
勉強のやり方はノートの使い分け
どうまとめたら分かりやすいかな?
自分に合ったノートのつくり方が分からない…
仕事をしながら勉強をするには、参考書を活用するのがおすすめです。
看護師1年目は、仕事の後でノートをしっかりまとめる時間はありません。時間を節約するためには、きれいに書き写したりまとめたりするのは難しいでしょう。
疾患の勉強は参考書に書き込む!
レビューブックのような本で、各科ごとに情報がまとめられている参考書がいくつかあります。その中で、自分が読みやすいと感じる参考書を1冊買ってきましょう。
疾患の予習はこの参考書をベースにして進めます。
そして、実際にその疾患の患者の受け持ちをして学んだことや、その本に載っていない知識など、勉強したことを書き込んだり貼りつけたりしていきましょう。
付箋に書いて貼ったり、別の参考書のページをコピーして貼り付けましょう!
実際にノートに書き写すよりも時間の短縮になります。
参考書がどんどん分厚くなっていくのが面白くなりますよ!
処置は手順書をコピーして書き込む
病院ごとに、看護手順書がつくられています。その手順書をコピーして、習ったことを書き込みましょう。
必要物品や介助のポイントなどを書き込んで、ファイルにまとめていきましょう。
経験した処置をどんどんまとめていけば、徐々に自分だけの手順書になっていきます。
経験した処置と、未経験の処置の区別もつきやすいですよ!
処置の介助をするときには、そのファイルから必要なページだけを取り出してポケットに入れておけば、いつでも確認することができるので便利です。
薬の勉強はフセンに書こう
薬に関する勉強は、フセンに書いてノートに貼るやり方がおすすめです。
薬の情報って、後から追加したくなったり、順番を変えたくなることがあります。
新しい薬がでてくるたびに追加するでしょ。
そしたら何度も書き変えないといけなくなって大変だったよ
薬は同じ薬効でも製薬会社が違うと別の名前だったり、病院の採用薬が変わったりすることもあります。
どんどん順番を変えたり、間に差し込んだりできるように、フセンで貼り付けていく方法がおすすめです!
今日習ったことはポケットサイズのルーズリーフにまとめよう
仕事中にメモを取った内容は、別のルーズリーフにまとめていきましょう。
疾患のことなら参考書に張り付けて、薬や検査のことならフセンに書いてまとめノートに貼りつけます。
それ以外の内容はルーズリーフにまとめて、ポケットに入れておきましょう。
その日のうちに出来ると復習になります
雑な文字でメモを取るので、記憶が新しいうちに見返してまとめた方が良いです。
もしも時間が取れないようなら、読み返して分かりにくいところに説明を書き加えるだけでもしておきましょう。そうすれば、休みの日にまとめる時にも思い出しやすくなりますよ。
勉強する内容は疾患と検査、処置、薬
実際に勉強するのは、患者の受け持ちをするときに必要になる情報です。
あした担当する患者の疾患と使用している薬、予定されている処置や検査について予習をします。
処置や検査の予習では、動画を活用しましょう。
さまざまな処置や検査について、YouTube動画が無料で見られます!
病院ごとに必要物品や手順はちがいますが、どんな処置なのか、どんな検査なのかの全体的な感じを理解するのに動画が役立ちます。とにかくまずは、動画でざっくりした流れを理解しましょう。
動画での勉強は、通勤時間やお風呂の時間でもできますよ!
先輩から『これを調べて来て』と宿題が出されました
その日に経験したことについて調べてくるように先輩から宿題が出されることもありますよね。その場合は、期限を確認しておきましょう。
もしも期限が近い課題をいくつも出されてしまった場合は、プリセプターや主任に相談をして、優先順位を教えてもらってください。
何個も課題を抱えてしまって、それが提出できずに怒られるなんでもったいない!
課題が重なったことを先輩に相談して提出期限をずらしてもらいましょう!
たくさんの課題に一人で悩む必要はありません。先輩に助けを求めてくださいね!
新人看護師の勉強のやり方のコツ
新人時代の勉強は、毎年同じように新人がやっていく、古くから伝統の勉強です。
先輩たちはこれまでに何度も経験していて、毎年同じように課題が出されています。
そういう特徴を考えると、勉強方法にコツがあることが分かると思いますので、詳しく解説しますね。
同期と協力できれば有利
病棟に同期がいれば、協力し合って乗り越えましょう。
同じ境遇で働いている同期は、あなたと同じように先輩から課題を出されていますし、同じような患者の受け持ちをしています。あなたが1人で情報収集した内容を同期と共有できれば、得られる情報は2~3倍になりますよね。
あなたが先輩から出された課題は、同期の子が先週、先輩に提出したのと同じ課題かもしれません。
明日あなたが受け持つ患者は、きのう同期の子が受け持った患者かもしれません。
ここで情報共有しないのはもったいないです!協力し合って、時間の節約をしましょう。
同期で集まるとグチを言い合ってしまいますが、情報共有に時間を使ったほうがお得ですよ!
分からないことに時間を使わない
新人のころは、知らないことや新しいことを一人で勉強するには限界があります。
一人で悩みすぎたり、勉強づけになって休息を怠ったりしないようにしましょう
知らない疾患の勉強をするよりも業務で行った内容を復習する方が効率的です。
参考書を一から順番に覚えようとしたり、見たこともない検査の必要物品や手順を覚えようとしても、時間がかかるばかりで効率がよくありません。
新人看護師は、とにかく時間が貴重です。分からないことを調べるのに時間を使いすぎないようにしましょう。
知らないこと、分からないことの勉強は短時間にして、あとは毎日経験する業務内容の振り返りをしましょう。
受け持った患者さんの疾患や症状、実際に経験した処置などを復習しましょう。実体験に基づく内容の方が覚えやすいですし、身につきやすいです。
課題が重なったら先輩に優先順位を聞く
今週は新人研修の事前課題があるのに、先輩から宿題も出されてしまった
同時にやるには徹夜になっちゃうよ・・・
先輩から宿題を出されたり、研修の課題が出たり、やらないといけない課題が重なってしまうことがあります。
そういう場合は一人で悩まずに先輩に相談をしましょう。
どの課題から取り組めばいいかを自分一人で判断するのは難しいし、判断が違えば先輩から怒られてしまいます。プリセプターや教育委員の先輩などに尋ねて判断してもらった方が、間違いがないので安心です。
先輩との付き合い方に悩んでいたら>>【職場の怖い先輩】どう対処する?|師長が攻略法を教えますの記事もおススメです。
1個上の先輩を味方にしよう
ひとつ上の先輩は、去年あなたと同じ体験をした人です
同じように課題に追われ、先輩に指導され、それを乗り越えた先輩なので、攻略法を一番詳しく知っています。
『どの先輩に聞いたら親切に教えてくれるのか』
『主任が怒るのはどういう時か』
『何の処置の勉強をしておけばいいのか」
上司やほかの先輩の特徴や、対策を聞いておきましょう。
悩むこと、落ち込むことなどの話は理解して共感してくれますし、より身近で具体的なアドバイスをしてくれるかもしれません。
相談する先輩をえらぶ
新人看護師さんの悩みでよくあるのが、先輩によって教えてくれるやり方が違って困るということです。
看護には正解がないので、それぞれが独自のやり方で行うようになってしまうことは、どこの病院でもよくあることです。
毎日違う先輩から指導を受けていると、きのう習った通りにしたのに、今日の先輩からは怒られてしまうことがあります。
そのため、相談したりマネをしたりする先輩をきちんと選んで、その人から習ったことをベースにしましょう。
選ぶならプリセプターと、主任さんなどがいいでしょう。
基本的には、看護手順書の方法が正しい方法です
手順書の通りにやっておけば、間違いありません。
それでも先輩ごとに違って迷う場合は、そのことをプリセプターや主任に相談しましょう。そうすれば、どちらのやり方がいいのか答えを出してくれますよ。
一人で悩まずに、先輩に相談することにします
まとめ
今回は、新人看護師さんの勉強方法について解説しました。
新人さんは毎日新しい患者さんと出会って、新しい処置や検査を見学して、勉強することがたくさんあります。
仕事で疲れてしまう毎日の中での勉強方法を工夫し、効率よく取り組んで大変な1年目を乗り越えてほしいと思います。
他にも、新人看護師が急変を発見した時の最初の対応についてまとめた記事>>新人看護師のあなたでもできる! 急変の発見と最初の対応の記事もおススメです。参考にしてください。
この記事を読んで、少しでもあなたの勉強方法の参考になればうれしいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。