● 苦情を言われた時、どういう態度を取ればいいのか分からない
● 自分がしたことじゃないのに苦情を言われても困る
● 師長が休みの時に苦情を言われたら、どうしたらいいの?
こんにちは、はるです。
今回は患者からのクレームへの対応方法を解説しますよ!
医療の現場では、患者や家族からクレームを受ける機会がありますよね
「ちょっと待って」と言われて、もう30分だ!
どれだけ待たせるんだ?!
院長を呼べ!
待ち時間のことや、処置のやり方、説明の言葉不足など、様々な場面でクレームは発生します。
医療の現場で働いていて、クレームを受けたことがない人はいないでしょう。では皆さんはそんな時、どう対応していますか?
怒っている人と話すのは怖いです。なんて言えばいいか分からないし…
クレーム対応は難しそうで心配よね。
でも、きちんと学んでおけば大丈夫よ!
怒っている人を相手にするときは対応が難しいですよね。
わたしは看護師長を経験する中で、何度もクレーム対応をしてきました。クレーム対応に関する本を読んだり、研修に参加したことも何度もあります。
その中で身につけた、看護師のクレーム対応方法をまとめました。
この記事で、クレームの初期対応から注意点まで身につけられるようまとめましたので、ぜひ最後まで読んでいってください。
ほかにも看護師の悩みをまとめた記事>>【まとめ記事】看護師の仕事がつらいと思った時に読んでほしいで、ミスが続いた時やリーダー業務の難しさなどの対処法をまとめています。参考にしてみてください。
1.まずはとにかく、不満を聞く
さっき予約の確認をしたのはどうなったんだ!
こんなに待たせるなんて!
もう帰るぞ!
あ、そうなんですか。
すみません。
じゃあ、いま確認しますね。
その態度はなんだ!
バカにしているのか!
上司を呼べー!
こういう現場を時々見かけます。この後、師長の私のところにスタッフが来るのですが、スタッフは患者がなぜ怒っているのか分かりません。
問い合わせへの返事を待たせてしまって怒ってて…
でも謝ったんですけど、まだ怒ってるんです
この場合、患者は『問い合わせを待たされたこと』に怒っていたはずでしたが、私が伺う時には『対応する看護師の態度』に苦情内容が変わっていて、怒りも一段と増しているんです。
この場合のポイントとしては、最初からとにかく謝って終わらせようとしないことです。
ひとは、自分の話をきちんと聞いてくれない相手に対しては、親しみを感じられません。
何か怒ってる…
とにかく謝らなきゃ!
こういう対応はNGです!
まずはその患者の話をしっかりと聞きましょう
話を聞くときは、患者の気持ちを想像しながら、共感する気持ちで聞きましょう。
「きっとなにか誤解しているだな」「そんなことをする職員がうちにいるはずないのに」などと、患者の訴えを疑いながら聞いていると、その態度が相手に伝わってしまいますよ。
まずは、その患者が不満を感じたという事実を受け止めて、話を聞きましょう。
興奮しているので、話の内容にまとまりがなかったり、食い違ったりすることがあります。
その表面的な言葉に惑わされず、患者が何に強い不満を抱いたのか、真意を探りましょう。
患者によっては「これがここの病院のやり方なのか?」、「自分がされたらどう思いますか?」など、質問しながら会話を進める人も多いですが、短い言葉で返答しながら、とにかく最後まで聞きます。
「はい」
「なるほど」
「○○と言われたのですね?」
こんな言葉で短く返答しながら、話の続きを促してください。
話を聞く体勢は、患者から見て90度くらいの角度の位置で、椅子に座って聞きましょう。
しゃがんで話を聞いていると足がつらくなり、足の位置を入れ替えたりするため、患者の話の腰を折ってしまう恐れがあります。
また真正面に座ると常に視線が合うので、緊張感のある距離感となってしまいます。
わたしが対応する場合はいつも、「あなたの話にゆっくりと対応する用意がありますよ」というメッセージを込めて、椅子を準備して座って話を聞くようにしています。
2.話を聞きながら、どうしてほしいのかを探る
とにかく話を聞くんですね
それなら出来そう!
話の内容は色々あるでしょうが、結局一番言いたいことが何なのかを想像しながら聞くといいわよ!
患者さんの苦情の内容は、実際は事実と違ったり、誤解で怒ったりしている人も多いです。
それでもまずは、その患者の気持ちや今の状況に共感を示しましょう。
「それはお困りでしたね」
「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした」
「教えていただいてありがとうございます」
これらの共感の言葉や、労いの言葉をかけながら、患者の真意を探りましょう。
患者のクレームは、様々な内容になることが多いです。
きっかけの出来事を通して、普段から気になっていたことなどもすべて、同時に不満として訴えるのです。
そのため、時系列もバラバラだったり、不満の相手も複数いる場合がありますが、その中で今回のクレームの核となる訴えがどれなのかを探りましょう。
話を聞く看護師は、患者の話に割って入らず、じっと聞き役を務めてください。
長ければ30分以上になることもありますが、それでも聞き続けることが大切です。長く聞き続ければ、それだけ心の距離が縮まることもあるので、ここが頑張り時です。
そして聞き続けながら、患者の話が一区切りついてこちらが話を始めることのできるタイミングをうかがいましょう。
☆注意するポイント☆
明らかな誤解があったり、思い違いがある時に「それは違います」「そんなこと言ってないです」と反論したくなります。
患者さんと話している看護師を見ていても、患者さんの話の途中で言葉を遮って「違いますよ!そうじゃなくて…」と反論している姿を見かけます。
しかしクレーム対応としては、途中で話を遮って否定するのではなく、最後まで訴えを聞いて相手が落ち着いてから、こちらの意見を説明した方が良いでしょう。
言いたいことを言い終わった後の方が、相手の話を聞こうという姿勢になっている場合が多いです。
話の途中で反論していると、言いたいことを遮られた相手は続けてまた同じ話をし始めます。そうするとあなたはまた、それに反論をして…。この繰り返しになり、お互いが『あの人、全然こちらの話を聞いてくれない』と不満に思うのです。
3.話はじめるきっかけがつかめたら、解決のための提案をする
一通り話を聞いて、患者さんの怒っている内容も分かってきました!
この後はどうしたらいいですか?
患者さんの要望を確認したり、こちらから解決するための提案をしてみましょう!
患者の訴えを聞き続けていると、話がひと段落してこちらに話の主導権が移る瞬間があります。
ゆっくりと話を聞いて、充分に共感の態度を示していれば、心の距離が少し縮まっているはずです。
ここから、解決のための提案にもっていく話を始めます。このとき、相手を不快にさせないように話始めましょう。
話の主導権をこちらに移すタイミングは慎重に!
話を始める最初の言葉に気をつけましょう。
時間を気にして焦って話さないように!
なんだか難しそう…
どんな言葉で話したらいいですか?
クッション言葉を使うと良いわよ!
「一つ提案があるのですが、よろしいですか」
「今回はご指摘いただいてありがとうございます。今後の対策についてですが…」
「大変心苦しいのですが、その対応はできかねます。代わりに提案ですが…」
このようにクッション言葉を適切に入れて、やんわりと話の主導権をこちらに移しましょう。
あとは、分かりやすく簡潔に、今後の対応について説明をします。
ここで一つ注意点!
確認していないことを約束をしてはいけません。自分の責任の範囲を超える約束なども、避けましょう。
例えば『明日、医師から連絡してもらいます』など、医師に確認する前に言わないこと
約束を守れなかった場合、さらにクレームを悪化させることになりますよ。
約束する内容は『上司に相談して対応させていただきます』だけにしましょう。
「上司に相談して、明日連絡します」とか、「上司に確認してから持って行きます」など、先に約束をしてしまっているケースが多いです。
ほかにもっと良い解決策があったり、翌日には連絡できない事情がある場合もあります。
スタッフからクレーム対応を依頼された時、「明日、師長から電話しますと伝えたのでお願いします」と言われることがあります。しかし日付を指定されてしまうと、充分な事実確認も終わらないままで電話しないといけなくなることもあって、大変困りました。
こちらの対応策の選択肢を狭めてしまうので、上司に対応依頼をする場合には日時の約束をせず、「上司に伝えます」とだけ説明しておくことを、おススメします。
4.個室内で1人だけで対応しない
相手が興奮している場合など、個室内で二人きりで対応しないようにしましょう。二人だけで話すと感情的になりやすいですし、後から『言った・言わない』のトラブルもあり得ます。
また時間が長くなる場合も、途中で対応する職員を変えたり、場所を変えたりして、組織的に対応しましょう。
たとえばわたしの病院の場合、大きなクレームに発展しそうなときには、早い段階で報告書を上げて対応方法について事前協議をします。
対応時に、事務長に同席してもらうこともあります。私が1人で対応するよりも、スーツ姿の男性が一緒に対応した方がスムーズに話が進む場合もあるんです。
5.自分の心と体を労わりましょう
今日はクレームの対応をして疲れました…
お疲れ様!
帰ったらゆっくり身体を休めてね!
上手く対応できたとしても、クレーム対応はとても神経を使いますし、疲れてしまいます。
クレーム対応をした後は、自分自身の心身の健康にも配慮をしましょう。
少なからずストレスが生じていますので、なにか気分転換できることを取り入れましょう。
帰りに美味しいものを食べに行ったり、友人とお喋りしたり、ゆっくりお風呂に浸かったりして、翌日までストレスを持ち越さない工夫をしましょう。
まとめ
今回は、看護師が病院で遭遇するクレームの対応方法についてまとめました。
看護師が遭遇するクレームは、きちんと誠実に話を伺い、チームで対応を改善するだけで解決するものがほとんどです。
興奮して大きな声を出している患者などを見るとクレーム対応は怖いと思ってしまうでしょうが、まずはこちらが落ち着いて話を聞く態度を見せることが重要です。
クレーム事例を一つずつ解決することは、患者満足度の向上にもつながる業務です。
この記事が明日からのお仕事に、少しでも役立てばうれしいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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