こんにちは。看護師長のはるです。
今回は新人さんこそ定時で帰るべき理由と、帰りづらいときの対処法を紹介します!
新人看護師の皆さん、毎日のお仕事お疲れ様です。
新人さんは、慣れないことばかりで毎日へとへとになると思います。
この記事では、新人のうちは残業をせずに定時で帰るべき理由と、帰りたいけど帰りづらいときの対処法をご紹介します。
実際に私の病棟では、新人の最初の3カ月間は必ず定時にタイムカードを押してナースステーションから退出させていますよ。
もしも、あなたの職場が『新人も最初から残業して当たり前』という雰囲気だとしたら、その職場はブラックな職場かもしれません。
あなたの選んだ職場がホワイトな職場か、ブラックな職場か、この記事を参考にしてしっかりと見極めてくださいね。
こちらの記事もおススメです。参考にしてください。
新人看護師は定時に帰るのが当然な理由
まずは大前提ですが、社会人に求められるのは『時間内に仕事を終えて定時に帰る』ことです!
「24時間、働けますか?♪♪」という栄養ドリンク剤のCMがありましたが、知っていますか?
昔から日本のビジネスマンには「残業する=頑張っている」というイメージがありましたが、これは大きな間違いです。
職場が求めているのは、残業せずに仕事を終えて帰る看護師です。
特に新人のうちは、必ず定時に帰る必要があります。
まずは、なぜ新人看護師が定時に帰らなければいけないのか、理由をご紹介しますね!
環境や人に慣れるだけで疲労している
新人のうちは、新しい職場に慣れなくて分からないことばかりですし、初対面の先輩たちに囲まれて仕事をするので、常に緊張をしています。
物の場所も分からない、やり方も分からない、人の顔と名前も分からない、仕事のルールや禁止事項もよく分からない環境なのです。
さらに、就職のために引っ越しや1人暮らしを始める人も多く、自宅に帰ってからも慣れない家事をしたり、家族を思い出して寂しい思いをしています。
はじめての一人暮らしでホームシックになる新人さんもいます…
毎日とても疲れていて、その疲れはドンドンと積み重なっていくばかりなのです。
疲れがたまっている状態では、仕事のパフォーマンスは上がりません!
最初の3カ月は、毎日職場に通って、言われたことを少しずつ覚えるだけで精一杯で当然です!
仕事を離れて気分転換をしないとメンタルが病む
新人看護師さんの最初の3カ月は、とても大変な時期です。
学生とは違う、社会人としてのリアリティショックもあり、慣れない環境での疲労も重なります。
そんな状況が続けば、メンタルを病んでしまう恐れがあります!
仕事終わりに同期と食事に行き、遊びの計画を立てたりグチを言い合ったりすることで気分転換をしなければ、そのうち精神的にきつくなってしまいます。
「明日も仕事だと思うと怖くて眠れない」なんてことになる前に、仕事は定時で帰って、パーっと気分転換をしてぐっすり眠る必要があるのです!
しっかり食べてたっぷり寝ないと体力が持たない
学生で受験勉強をしていたころに比べると、新人看護師さんの運動量はかなりしんどいです。
椅子に座っている時間はほとんどなく、病棟の廊下を行ったり来たり歩き回りますし、指導者の先輩を探したり備品の準備が不十分で詰め所と病室を往復したりもします。
他の高度なケア技術がないため、オムツ交換や清潔ケアは新人看護師さんが中心になってしまう場合もあります。
新人さんは精神的にも緊張して疲れていますが、さらに体力的な疲労も重なるのです。
新人は定時で仕事を終わらせて、自宅での食事や入浴に時間を使い、たっぷり眠らないと翌日の仕事までに回復できないのです!
新人看護師が定時で帰りづらい理由
新人さんは定時に帰るのは当たり前だと言っても、実際は『定時に帰るのは後ろめたい』と感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
とくに日本人は、周りの人と同調することが得意なので、自分だけ先に帰りづらいと考えてしまうのかもしれません。
新人看護師が定時で帰りづらい理由について、詳しく解説しますね。
指導してくれた先輩を残して帰りづらい
新人看護師の多くは、「指導者の先輩がまだ残っているのに、自分だけ帰ってもいいの?」と悩み、先に帰ることをためらっていますよね。
しかし、先輩が帰れないのにはきちんと理由があります。
- 委員会や係の仕事など、新人とは違う仕事がある
- 新人指導の内容を翌日に申し送るための記録がある
新人さんは仕事が少ないですが、先輩たちは指導以外にも担当している仕事があります。
それらの仕事を片付けたり、または今日の指導内容を明日に申し送るための記録を書いたりしているのです。
あなたも仕事に慣れてきたら先輩の仕事を手伝えるかもしれませんが、新人のうちは手伝うこともできません。
あなたが残っていてもできることはないので、早く帰って心身の健康を保つことに専念しましょう!
定時で帰るとやる気がないと思われそうで怖い
新人さんの考えやすいこととして、「定時でさっさと帰ると、先輩にやる気がないと思われそう」と心配することです。
やる気がないと思われて、先輩に嫌われるんじゃないか心配!
そのため、仕事は終わっているのに習ったことをノートにまとめたり、マニュアルを読み返したりして、なかなか帰らない新人さんを見かけます。
最初から頑張りすぎると、長続きしないよ!
最初の3カ月はとにかく早く帰って、疲れを癒すことに専念しよう!
そのうち、嫌でも残業しなくてはいけない日が来ますので、新人の間だけは絶対に残業せずに早く帰りましょう。
【体験談】入職2日目から定時で帰れない新人の悲劇
新人の頃から定時で帰れない日が続くと、最悪の場合は心身の健康を崩してしまいます。
ここからは、私が実際に体験した『定時で帰れない新人看護師の悲劇』をご紹介します。
指導者の先輩が忙しいから報告や申し送りが定時後になる
一日働いた後は、指導者の先輩に報告や申し送りが必要なのですが、忙しそうな先輩に気を遣って遠慮していると、時間内に終えることができなくなってしまいます。
待ってたのに、新人が報告に来なかったんです。
終わったら報告するように言ってたのに…
指導者の先輩に事情を聞くと、『新人が報告に来るのを待っていたのに、声をかけて来なかった』と言います。
指導者の先輩は、あなたの指導が仕事なのです。
忙しそうにしていても、遠慮せずに声をかけて時間内に報告や申し送りを終わらせて、記録のチェックを受けましょう。
自分の仕事を後回しにしているから記録が終わらない
新人のころは、与えられた仕事だけを黙々とすることはできません。
未経験の処置の見学をしたり、先輩から急に呼ばれて検査を見学したり事例の説明を受けたりもします。
ふだんの仕事でも「次に何をしたらいいんだっけ?」と立ち止まって考えたり、「自信がないから再確認しよう」とじっくりマニュアルを読み返したり。
とにかく、何をするにも時間がかかってしまいます。
時間は有限なので、自分の記録を後回しにしてしまい、定時の時点で一行も記録を書いていない状態になっていました。
処置の見学をして、ゆっくり説明も聞いてたけど…。
まさか記録を一行も書いてなかったなんて!
先輩も上司もみんな帰って、夜勤者が消灯して回る時間まで一人で残って記録をする事態になっていました。
見学や説明を受ける機会は1回限りじゃないので、自分の仕事が終わっていないときはそちらを優先しよう!
「まだ記録を一行も書いていないので、見学は次回にさせてください」と申告すれば大丈夫!
思考力とやる気が低下して定時で帰ることを諦めている
残業が続いていると、疲れて思考力ややる気が低下してしまいます。
やる気がなくなり、「どうせ今日も残業になるんだろうな」「記録は定時後にすればいいや」と思うようになって来ます。
思考力が落ちるので、効率よく仕事を進めることもできなくなり、ますます時間がかかっていまいます。
「残業して当たり前」と考えてしまうようなら、あなたの心は病み始めています。
定時で帰る生活を取り戻し、メリハリのある生活に戻さないと、心身の健康が保てなくなってしまいますよ!
新人看護師の帰りづらいを無くす方法
新人看護師さんがいまより帰りづらさを無くす方法は、次の通りです。
定時後に予定を入れる
定時に帰りづらい一番の理由は、「なんとなく気まずい」という感情です。
「まだみんなが仕事をしているのに、自分だけ帰っていいのかな…」と考えてしまいますよね。
しかし、仕事終わりに予定があれば後ろめたさを感じながらも「時間が迫っているから帰らなきゃ!」と思えるので、先に帰る勇気が持てます。
今日は仕事後に親と食事の予定なんです。
迎えに来るので頑張って定時で終わらせますね!
朝から同期や指導者に伝えておくのも良いでしょう。
他にも、美容室の予約を入れておいたり、映画のチケットを取っておくなど、時間をずらせない予定を入れておくのがおすすめです。
定時で帰る習慣をつけるのに、役立つ方法です!
毎日予定を入れておくのは難しいですが、必ず定時で帰る日を時々作ることで、早く帰ることに後ろめたさを感じにくくなります。
先輩や周りの目も変わってくるので、早く終わった日には自然と定時で帰れるようになるでしょう。
新人同士で協力して一緒に定時で帰る
一人だけ定定時で帰るよりも、他の人と一緒に帰る方が気持ちが楽ですよね。
まわりの同期を巻き込んで、一緒に定時で帰るようにしましょう。
お互い待たずに、終わったらできるだけ早く帰ろう!
あなたが休みの日でも、他の新人も定時で帰れば、あなた一人に注目が集まることもありません。
さらに仕事を協力し合ったり、定時で帰るために協力し合えば効率も上がります。
一人では勇気が出なくても、複数なら行動に移しやすですよ!
「何か手伝うことはありますか」の質問は主任や師長にする
自分の仕事が終わったとしても、他の人たちが仕事をしている中で黙って帰るのは気まずいですよね。
「仕事を放り出して先に帰った」と言われないためにも、帰る前に『帰ってもいいか』ということを上司に確認しましょう。
残った仕事の有無を確認する場合、3~5年目くらいの先輩に確認すると「じゃあ、これをやって」と遠慮なく仕事を押し付けられてしまいます!
主任や師長であれば、新人さんに残務をさせるよりも早く帰宅させようと考えるはずなので、『帰っていいよ』と言ってくれるはずです。
『帰っていいよ』と言ってくれる人に、確認するようにしましょう。
師長や主任が指示して、新人さんに定時後の手伝いをさせる職場は危険です! その職場環境で長く働くのは考えた方がいいでしょう。
新人の頃から定時で帰れないことの意味を考える
もしもあなたの職場が、新人の最初の3カ月ですら定時で帰らせてくれない環境なら、その意味を考えてみましょう。
仕事に慣れた先輩たちでも、定時に帰れる日が少ないですか?
先輩たちは、「定時に帰れないことが普通」だと言っていませんか?
がんばって定時に帰る人が気まずくなるような雰囲気がありませんか?
もしもあなたの職場がこれに当てはまるのなら、その職場は危険です!
残業をすることが当たり前になっていて、それの環境に慣れてしまっている可能性があります。
その状況を放置している上司に問題があります。
そのまま様子を見ていても、環境は簡単には変わらないと思いますので、勇気を出して一人でも定時で帰るようにするか、思い切って職場を変えるしか方法はありません。
新人教育がしっかりしている病院はたくさんありますし、病院以外にも施設や訪問看護などでも短期離職での転職を受け入れてくれる職場はあります。
「今の仕事を続けるのはしんどい」「今後もずっと定時帰りできない生活はイヤだ」と感じているのなら、思い切って早めに転職を検討しましょう。
転職の流れについては、こちらの記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
まとめ
今回は、新人のうちは残業をせずに定時で帰るべき理由と、帰りたいけど帰りづらいときの対処法をご紹介しました。
仕事は、定時で帰る意識をもってしないと、ダラダラと時間ばかり伸びてしまって効率が悪くなりますし、疲れて心身の健康も害してしまいます。
とはいえ、新人さんが1人だけで定時に帰る習慣をつけるのは難しいです。
本当は上司や先輩が声をかけて、新人が定時で帰れる環境を作ってあげるべきです。
それができていない職場であれば、あなたにとって長く続けられる職場なのかどうかをしっかりと考えてみましょう。
新しい生活、新しい人間関係、そして新しい仕事。
慣れないことばかりで心も体も大変な時期だと思いますが、この記事を参考にしてしっかりと定時で帰宅し、気分転換したり疲労回復したりして、明日からも元気に仕事に向かってくださいね!
新人看護師さんの毎日を、応援しています!