● ケアや検温で忙しくて他の業務ができない
● 仕事がさばけない自分は主任に向いてないんじゃないか
● 仕事のやる気にムラがあって悩んでいる
こんにちは、はるです。
私は地方病院で看護師長をしています。
今回は効率的な仕事術について解説します!
看護主任さんって、通常業務をしながら主任業務もやるので、とっても忙しいですよね。
仕事の山に埋もれそうになっている人もいるんじゃないでしょうか。
師長さんは管理業務だけをおこないますが、主任さんはいつものケア業務と管理業務の両方をやるので、そのバランスが大変だし、業務量も多くなってしまいます。
・自分の委員会やスタッフの委員会業務のフォロー
・看護研究のフォロー
・学生や新人指導のフォローや進捗確認
・スタッフとの面談や精神的フォロー
・主任会議の資料作り
・研修講師の準備や病棟会の運営
・師長不在時の管理代行やマニュアル確認
・勤務表や業務分担の作成
一例ですが、通常の看護師業務をやる上に、このくらいの仕事を追加でやってくれているはずです。
スゴイ量です! 大変ですよね。
なかなかヤル気が保てません
仕事が溜まって「自分は向いてない」って思ってしまいます
やる気にムラがあるのは誰でも一緒!
能力の問題ではないですよ
主任さんがたくさんの仕事を抱えていることは、どこの病院でも間違いないです。
なので、できるだけ効率よく仕事をさばくコツを身につけて、少しでも楽に仕事を進めてもらいたいんです。
私がこれまで長く管理職をしながら身につけてきた仕事効率化のコツをご紹介しますので、ぜひ明日からの仕事に取り入れてみてください。
仕事が忙しくてイライラしてしまう主任さんには>>看護師は女優?!|感情をコントロールしてストレスのない働き方を!の記事が参考になります。ぜひ読んでみてください。
いつもやっておくコツ【4選】
まずは、日ごろからコツコツやっておく仕事効率化のコツから紹介します。
ポイントは仕事の全体量をつかんでおくことと、日々の仕事量に偏りが出ないようにあらかじめ調整しておくことです。
年始に予定が決まったら、即スケジュールを整理する
年始や年度初めに、1年間のスケジュールがでますよね。まずはそれをスケジュールに入れてしまいましょう。
スマホのカレンダーアプリがおすすめです!
会議など毎月繰り返すスケジュールを「繰り返し設定」で簡単に登録できます。
①月1回の会議スケジュールを毎月「繰り返し登録」する
⇒会議の前の週に、議事次第の作成・配布のToDoを作って、毎月繰り返し設定する
⇒会議の3日後に、議事録の確認・提出のToDoを作って、毎月繰り返し設定する
こんな風に、1つの会議予定と一緒に、それに伴う仕事も全てToDoリストにして登録していきます。
②年に1回だけの、研修講師のスケジュールを登録
⇒研修の2カ月前に、研修テーマ決めのToDoリストを作って登録する
⇒研修1カ月前に、研修資料作りのToDoリストを作って登録する
⇒研修1週間前に、研修資料のデーター提出と印刷のToDoリストを作って登録する
年に1~2回しかないようなスケジュールでも、ある程度の目途で早めの時期でToDoリストを設定しておきます。
そんなに先のことは分からないですよ
何日に予定を入れたらいいんですか?
テキトーでいいんです。
「ちょっと早いかな?」と思う時期に予定を入れておけば、その時期に思い出してスケジュールを修正することができます!
実際には研修の2カ月前になって「まだ早いな、このToDoは来週にずらそう」と微調整しながらこなしていきます。
1年分の会議や委員会、研修のスケジュールなどが判明した時に、全部登録してしまうのがコツです。
そうすれば、仕事の量を調整するときに、年間の仕事量を把握しやすくなりますよ!
ToDoリストで仕事の量を管理する
日々の仕事をしながら、思いつくたびに登録をします
わたしの場合、こんな仕事をToDoリストに登録をしています。
・会議の議事次第の確認、議事録の確認と提出
・研修の事前メール送信
・看護サマリーの記載率のチェック、内容の確認
・カンファレンス記録のチェック
・病棟内の時計の時刻合わせ
・新人指導記録のチェック
・機材・物品管理状況のチェック
他にもたくさん登録していて、それらを消化しながら働いています。
提出する書類の準備から、やってもやらなくてもいいような仕事まで、自分が必要だと思う仕事をすべて登録しています。
たとえば、患者の記録で不十分なところを見つけてスタッフへ指導をした場合、修正された記録をチェックするのを忘れないように、数日後に「記録チェック」のToDoリストを作成しておきます。
他にも、『次にあのスタッフに会ったらこれを言おう!』と思ったことをToDoに入れておくこともあります。
こういうの!
つい忘れてしまうんですよね!
器材庫が片付いているかチェックするとか、消耗品の在庫数を確認するとか、そういう小さな仕事は「手の空いた時にやろう」と思っても忘れてしまいます。
そういう『つい忘れる』ような仕事こそ、ToDoリストを活用しましょう! 抜けが減って、仕事の質が上がりますよ!
いつかやろうと思っている仕事や、考えようと思っている課題も、とりあえず少し先の予定でToDoリストに入れておきましょう!
でも、どんどんToDoに登録すると、予定がいっぱいになっちゃいます…
思いつく限り全てをToDoリストに登録したら、仕事量の調整をしましょう。
今日やる予定で登録しているToDoリストが多すぎる場合は、明日や来週、来月に仕事を伸ばしましょう。
ときどきスケジュールを確認して、ToDoの量が片寄っていないかチェックしてみてください。
会議の議事録チェックをしようと思ったけど、今日は忙しくて無理だ。
明後日はToDoの量が少ないから、そっちに回そう!
少しずらしても問題ないような仕事もあるはずです。重要度や締め切りに応じて、仕事をずらして量が片寄らないように調整しましょう。
週間・月間でルーチンを作って繰り返す
ToDoリストを作ったら、それを繰り返し登録しましょう。
管理職の仕事では、毎月や毎週で繰り返す確認処理が多いはずです。
たとえば、さっき示したToDoリストは、以下のように繰り返し登録しています。
・会議の議事次第の確認、議事録の確認と提出(会議ごとに)
・研修の事前メール送信(研修ごとに)
・看護サマリーの記載率のチェック、内容の確認(週に1回)
・カンファレンス記録のチェック(2週間に1回)
・病棟内の時計の時刻合わせ(2ヶ月に1回)
・新人指導記録のチェック(時期ごとに頻度を変えて)
・機材・物品管理状況のチェック(3ヶ月に1回)
たしかに、毎月やらないといけないことも多いですよね
看護研究のフォローや新人指導のフォローでも、「面談予定を決める」「面談で話す内容を考える」などをToDoリストで作っておいても良いでしょう。
イレギュラーなトラブルの対応をしていたり、他に重大なことがあると、毎月やっていた仕事でもつい忘れてしまうことがあります。
それを防止するためにも、繰り返し続ける必要のある仕事は、繰り返し登録をしておきましょう!
ToDoリストと繰り返し登録がうまく活用できると、自分が1ヶ月でやっている仕事が可視化するので、仕事の全体量がつかめます。
1ヶ月のどの時期が忙しいのか、何曜日が余裕があるのか、1年間で一番仕事が重なりそうなのは何月か。
それが把握できれば、新しく仕事が増えたときにあらかじめスケジュールを調整することができます。
『いまは1年で一番忙しい時期だが、この会議が終われば後は大丈夫だ』と分かっていれば、精神的にも落ち着いて対処できるはずです。
仕事量の把握は忙しさを乗り越える最大のコツなので、ぜひ頑張ってすべての仕事を洗い出してくださいね。
クリアファイルやボックスで仕分けして整理整頓する
『仕事がデキる人の机は片付いている』と思いませんか?
整理整頓ができていないと大切な書類を見失ったり、忘れないようにメモしても他の紙に埋もれて見えなかったり・・・
私はクリアファイルが大好きで、旅行先で綺麗な絵柄の物を見つけたら、つい買ってしまいます。
好きな映画のものや、アニメキャラのもの、美術館で買った有名な絵画が印刷されたものなど、たくさんのクリアファイルを使って仕事をしています。
クリアファイルを使って書類を整理整頓していますが、これが便利なのでご紹介します。
仕事ごとにクリアファイルを分けて、引き出しに入れています。
- 朝出勤したらToDoリストの確認と一緒にこの引き出しも確認して、全てのクリアファイルを取り出します。
- そして優先度の高いもの一番上にして、順番を並び替えていきます。
- 優先度が低くて、今日はやらないと決めた仕事は、再び引き出しに戻します。
- 「もし時間があったらやろうかな」と思うものは、手元に残しておきます。
- そして、一番上のクリアファイルから仕事をさばいていくのです。
このやり方の良い所は、「いつかやろうと思ってるけど手を付けていない仕事」でも、毎日一回は思い出すことです。
クリアファイルの束の下の方に置いたままになっている仕事があります(実は2年くらい置いたまま・・・)
それでも私は、そのアイデアがそこに眠っていることを覚えていますし、たまに関連する資料を見つけたら追加しています。
別の仕事をする中でチャンスがあれば「実はこんなことを考えてるんですが・・・」と出すこともできると狙っています。
素敵なデザインのクリアファイルに入った仕事は、ちょっとだけ私の気分を上げてくれるんです!
クリアファイルってポスターのような印象的なデザインの物が多くて、値段もお手ごろなので、つい買い集めてしまいます。
仕事で使える可愛い物って少ないから、自分のお気に入りを使ってモチベーションを上げるのにおすすめですよ!
急な仕事が入ってスケジュールが崩れたときの対処のコツ【3選】
スケジュールを決めていても、急な仕事で予定が変わってしまうことが多いですよね。
「急変です!」の一言が聞こえたら、今日やろうと思っていた資料作りの時間は全部吹っ飛んでしまいます。
看護師をしていたら、急な予定変更は想定ずみ!
落ち着いて対処するコツを教えますね
イレギュラーなことが起こるのは仕方ない!
きちんと対処をすれば乗り越えられるので、パニックにならずに仕事を整理しましょう。
今日の仕事を書き出して順番をつける
さっきも書きましたが、忙しさを乗り越える最大のコツは仕事量の把握です。
今日~明日のスケジュール、ToDoリスト、クリアファイルに入れた仕事を見直して、『今日やらないといけないこと』を書き出しましょう。
それらの中で、時間制限のある仕事(午前中に提出するものや、14時の会議で使う資料など)を確認しながら優先順位をつけていきましょう。
看護師さんは毎日の仕事で優先順位の判断をしているので、ここが得意なんです!
つぎに、それぞれの仕事にどのくらいの時間が必要かを想像しましょう。
昼休みを削って取り組めばできるのか、どのくらい時間が足りないのか、それが分かれば『可能か不可能か』が判断できますね。
「やらない仕事」を決める
次に考えるのは「やらない仕事」を決めることです。
この視点を持っていることは、仕事の効率化には重要ですよ!
いま手元にある仕事の中で、やらずに済ませられる仕事がないかを考えてみましょう。
え・・・?
やらなくてもいい仕事なんてありますか?
「やらなくてもいい仕事」と考えると、そんな仕事はありません。
考えるのは、本当はやらなくちゃいけないけど工夫すればやらずに済ましてしまえる仕事や、犠牲を承知で「やらない」と決めてしまう仕事です。
例えば、以前つくった資料を転用すれば何とかなったり。
毎月きちんとやっているから、今月だけやらなくても乗り越えられたり。
担当者に「出来ません、迷惑をかけてごめんなさい」と謝れば済む仕事だったり。
来月の人と交代してもらうよう交渉できる仕事だったり。
意外と、『担当者に謝れば免除してもらえる仕事』というのがあります。ちょっと迷惑をかけるけど、全体の流れに大きな支障がないことが分かっていれば、その仕事は『緊急事態なので、ごめんなさい』と事情を説明すれば免除してもらえます。
日ごろからキチンと仕事をしていれば、こういう時に周りが助けてくれます。「今回は代わりに私がやっておくよ!」と言ってもらえる信頼関係を作っておきましょう
こういう工夫で、仕事の全体量を減らしましょう。全体量が減れば、何とか今日中に出来る量になってきませんか?
「外注する仕事」を決める
もう一つの工夫は、人に手伝ってもらうことです。
でもみんな忙しいし・・・
私の仕事だし、手伝ってもらうわけにはいきません
人に仕事を依頼するのが苦手ってことはありませんか?
余計な仕事を頼んだらスタッフからは不満が出そうだし、嫌がられるくらいなら、つい自分で全部やってしまうって人も多いんじゃないでしょうか。
その気持ちはよく分かります!
私もそれで悩んでいたし、うちの主任さんも同じです
仕事を依頼するときには、動機づけが必要です。「なぜあなたにこの仕事を頼むのか」「あなたの成長につながる仕事だ」と伝えることが大切です。
まずは頼りになるスタッフへ「あなたを頼りにしている。今後の病棟を引っ張っていく人材だと思っている」ということを伝えて、リーダーの自覚を持ってもらいましょう。
「ぜひ主任の自分を支えて、一緒に病棟を良くしていってほしい」とお願いしておくのも良いと思います。
「少しずつ視野を広げて病棟全体をみてほしい。主任がどんな仕事をしているか知って、その手伝いをしながら病棟管理について少しずつ学んでいってね」と伝えておくのです。
そういう話を伝えておいて、ときどき簡単な仕事を一緒にしたり、お願いしたりしておくと、いざという時にとても力になってくれます。
主任業務を手伝ってくれるリーダーさん達を、日ごろから育てておくのです。
そうして育てられたリーダーさん達は次期主任の候補になりますし、そういうスタッフが増えると病棟全体の管理が行き届きやすくなりますよ。
まとめ
今回は、仕事をたくさん抱えている主任さんに向けて『できるだけ効率よく仕事をさばくコツ』について解説しました。
いつもやっておくコツは4つです
1.年始に予定が決まったら、即スケジュールを整理する
2.ToDoリストで仕事の量を管理する
3.週間・月間でルーチンを作って繰り返す
4.クリアファイルやボックスで仕分けして整理整頓する
急な仕事が入ってスケジュールが崩れたときのコツは3つです
1.今日の仕事を書き出して順番をつける
2.「やらない仕事」を決める
3.「外注する仕事」を決める
どこの病院でも、主任さんはたくさんの仕事を抱えていますよね。
仕事をできるだけ効率的に進めて、明日からの仕事を少しでも楽にしてくださいね。
他にも主任さんの参考になりそうな記事があるので、良かったら読んでみてください。