● 職場のことが分かるようになったけど、悩みが増えてる気がする
● 信頼されていると思うけど、弱音を吐きにくくなった
● 責任ある仕事が増えてプレッシャー
こんにちは、はるです。
私は地方の病院で急性期病棟の看護師長をしています
今回は、5年目の看護師が感じるストレスについての記事です。
5年目になると普段の業務ではほとんど困ることがなくなり、病棟業務に中心的に関わりはじめる頃です。
リーダーやプリセプターなどを任されている人も多いでしょう。
仕事はできるようになってる実感があるけど、逆に悩みが増えている気がします
この記事では、5年目の看護師が感じる不満やツラさの詳細と、その対処法について解説します。
新人や2年目の頃とは違う、5年目だからこその悩みを紹介します。
いま5年目のあなたも、これから5年目になるあなたも、悩みの正体を理解して正しく対処をして、一緒に乗り越えていきましょう。
まだまだ5年目には程遠いというあなたには、>>【看護師】2年目の壁|ツラい理由と対処法を師長が解説!の記事を先に読んでみるのがおすすめです。新人を超えたあとの2年目ならではのツラさと対処法を紹介しています。
5年目ナースのツラさ
1年目や2年目の頃とは違う、5年目ならではの悩みは以下の5つです。
- 何でも聞けばよかったころとは違う
- 「ただ不満を言うだけ」が出来ない
- 後輩や若い医師にイライラする
- プライベートのストレスもある
- クレーム対応や謝罪、ミスの報告はいつも私
ひとつずつ解説していきます。
何でも聞けばよかったころとは違う
3年目までは、医師の指示や患者からの訴えもすべて、先輩に伝えて指示をもらうだけで仕事が出来ていました。
言われたとおりに実行できるだけで充分でしたし、それ以上を求められることもありませんでした。
しかし5年目にもなると、そうはいきません。
あなたがリーダーよ。
スタッフ全体に仕事を指示して、今日の業務を安全に終わらせてね
病棟全体の状況を把握して、忙しいところをフォローしたり、後輩の仕事に目を光らせたり、患者の状態変化を見逃さないようにする必要があります。
自分自身があまり経験ない処置なども、誰かに聞くだけではなく自分で調べないといけません。
何でも聞けばよかった頃とは違うので、ツラいと感じてしまうようです。
「ただ不満を言うだけ」ができない
あなたも新人や2年目の頃は、勤務表の休みの数や担当部屋の割り振り、係の仕事の振り分け方などで同期の友人と不満を言い合っていたのではないでしょうか。
自分が病棟全体を見ず言われた仕事だけをやっていた頃なら、『ただ不満を言うだけ』で良かったのです。
しかし委員会の仕事を後輩に割り振ったり、急な欠勤者が出たときにリーダーとしてその仕事を他の人に割り振ったり
病棟全体を見渡した業務に関わるようになると、業務を公平に振り分ける大変さが分かってきたのではないでしょうか。
視野が広くなって見える範囲が広がると、主任や師長の苦労も少しわかるようになってきて、不満に思うことがあっても『でも主任さんも苦労して考えたんだろうな』と思うようになってしまい、『ただ不満を言うだけ』が出来なくなってしまいます。
また連続勤務か・・・
師長さんに文句を言いたいけど、この週は皆の休み希望が多かったから仕方ないんだろうな
キツいけど我慢するしかないか…
こんな風に、周りの事情も見えるようになってきたあなたは、以前のように『ただ文句を言うだけ』が出来なくて不満をため込んでしまっているのかもしれません。
また、看護師は真面目な人が多いので『家に仕事を持ち込みたくないから家族にもグチを言わない』という人も多いです。そうなると、誰にも言えずにため込んでしまい、ツラくなってしまいます。
後輩や若い医師にイライラする
5年目にもなると、病棟の通常業務は一通り何でもできるようになり、周りを見る余裕も出てきます。
そうなると、若い後輩の仕事の雑さや、テキパキしていない様子などが目についてイライラすることがあります。
暇そうにしてたから採血を頼んだのに「えー、またですか」と言われてムカついてしまいました
新人は暇さえあれば集まってはしゃいでて、見ててイライラするわ
ちゃんとした看護や記録も出来ていないのに、同期で集まっておしゃべりをしていたり、片付けもせずに帰ってしまったりする後輩の姿にイライラしてしまうのです。
また、若い医者の出す指示に納得できず、モヤモヤしてしまうこともあります。
5年目看護師の観察力とアセスメント力を身につけたあなたは、自分で予想していたのと違う指示が出たり、患者の訴えが正しく汲み取られない指示が出てしまうことに、モヤモヤしてしまうのです。
食事量を減らすよりも、食事の形態を変えた方がいいと思うんだけど…
先生にはさっき患者さんが言ってたことが伝わらなかったのかな…
あなた自身が以前よりも成長して、周りを見渡す余裕が出来たり、患者の訴えを深く考察できるようになったからこそ感じるストレスです。あなたの成長の証ではありますが、イライラしてしまいますよね。
リーダー業務が負担に感じているあなたには>>【看護師長が教えるリーダーシップ】リーダーに向いてないは思い込み!の記事を読んでみてください。リーダーシップの考え方を解説しています。
また、医師から理不尽に怒鳴られたり不機嫌な医者の対応に困っているあなたには>>不機嫌・怒る医者への対処法【リーダー看護師の苦悩】師長が教えます!が参考になるでしょう。
プライベートのストレスもある
5年目看護師特有の悩みとして、20代半ば~後半の女性として感じる私生活の悩みもあります。
・「結婚しないの?」と無遠慮に訪ねてくる患者や医者にイライラする!
・数年付き合ってる彼氏がいるけど、最近は休みが合わなくてデートもしてないな
・親からは「いつ地元に帰ってくるの」って毎年言われてめんどくさいんだよな
こういう私生活のメンドウな悩みも重なって、仕事に対するモチベーションが上がらないこともあるでしょう。
20代半ば~後半の女性は、どの職種でも同じような私生活の悩みを抱えながら働いています。
これから先の人生について、いろいろと考える時期ですよね。仕事の責任も重くなってきて簡単にはやめられないし、私生活との両立に悩んでしまうのは当然です。
クレーム対応や謝罪、ミスの報告はいつも私
これも、自分が新人や2年目だったころはリーダーの先輩に報告するだけでよかったことです。
〇〇さんが来るのが遅いって怒ってて…
対応を変わってもらっていいですか?
えー?! どうしたの?
(これ、私が対応しないといけないの?)
リーダーをしていたり、先輩になると、自分自身のミスじゃなくても部署を代表して謝罪をする場面が出てきます。
他にも、こういう場面があります。
・前日の担当者のミスを見つけて医師に報告したら、医師から怒られてしまった
・なぜかいつもと違う所に薬が置かれていて、患者に渡っていなかった。誰のミスか分からず、私がレポートを記載することになった
・数日前のカルテ記載の間違いが発覚。私は間違えてないのに、カンファレンスを開いて対策を考えるよう師長から指示されて仕事が増えた
自分のミスではないのに謝罪をしたり、叱られたりするのは本当にストレスですよね。
5年目になると後輩のミスを庇ってあげたりして、誰もが経験するストレスだと思います。
でも、新人を厳しく叱るわけにもいかないから『今後は気をつけてね』というだけ。「気をつけます」とは言ってるけど、本当にわかってるのかな?
ミスを指摘された時は、真面目な顔で「すみません、気をつけます」と言っていた新人も、帰りにはニコニコ笑いながら帰っていく姿を見ると、モヤモヤしてしまいますよね。
患者からのクレーム対応については>>【師長が教える】看護師なら知っておきたい!患者からのクレーム対応術で詳しく対応方法を解説しました。興味があれば読んでみてください。
5年目ナースの不満の対処法
ここまで、5年目看護師が仕事で感じる不満やストレスの内容を5つ紹介しました。あなたの状況に当てはまるものがあったでしょうか。
ここからは、不満への対処法について解説していきます!
5年目看護師の不満への対処法は、次の6つです。
- 主任や先輩に相談する
- 師長に相談する
- 家族や友人にグチを聞いてもらう
- 休養をとる
- 遊びに行く
- 公的な相談機関や民間の相談機関を利用する
主任や先輩に相談する
あなたの悩みが仕事上でのことなら、先輩や主任はあなたと同じ不満を感じている可能性があります。
もし今は感じていなくても、あなたと同じ年代頃には同じような悩みを持っていたかもしれません。
そういう場合には、あなたの悩みにとても共感してくれるでしょうし、あなたの気持ちを理解して一緒に考えてくれるはずです。
思いに共感してもらうだけでも、あなたの気持ちがラクになりますよ!
主任は多くのスタッフから相談を受けることが多いので、上手なアドバイスができる人が多いです。
さらに管理職でもあるので、実際に業務を変更したりスタッフへの指導に対して実行力や決定力があります。
仕事上の不満は、その仕事のやり方を変えたり、仕事自体をなくしたり、何かを変えることで解決する場合も多いのです。
だからこそ、友人や同期に相談するのとは違って、実行力と決定力のある主任に相談をしてみてください。
悩みを相談するというのは、関係性が悪い時にはできません。あなたが主任を頼って相談すれば、主任さんはあなたから信頼されていることが分かって、とても喜ぶはずですよ!
遠慮せずに、どんどん相談をしましょう!
師長に相談する
私は師長ですが、相談してもらえると安心します
何も不満を言わずに黙って我慢されているよりも、きちんと相談してくれた方が嬉しいし、あなたのことがもっと信頼できるようになります。
何に悩んでいるかが分かると対応策が考えられるので、安心できるのです。
以前、こんなことを経験しました。
部署異動で来た看護師。毎月の面談では「大変だけど勉強になることばかり。新しいことを覚えるのは楽しいし、頑張ります」と笑顔で話してくれていたの子が、突然求職願を提出してきました。
「負けたくないと思って誰にも言わなかったけど、実際はツラかった」と言ってきて驚きました。
私も周りのスタッフも、誰も彼女の本心を見抜けなかったことを反省しましたが、同時に『言ってくれればいくらでも配慮できたのに…』とも思いました。
あなたと師長の関係性は分かりませんが、基本的には管理者は全員、あなたの味方です。
あなたがツラい思いをせずに働けるようにしたいと思っているし、働きやすい環境を用意して長く働いてほしいと思っています。
師長は部署をより良くすることが仕事だし、5年目のあなたを失いたくないので、あなたの悩みを真剣に受け止めてくれて、解決のために一緒に動いてくれるはずです。
遠慮せず、思い切って師長に相談してみてください。まずは話を聞いてもらうだけでもスッキリすることがありますよ!
師長に面倒な相談をしたら嫌われてしまうかもしれないと心配なときは>>あなたが師長に嫌われる理由|嫌われる看護師の特徴9つの記事を読んでみてください。どんな行動が師長に嫌われるのかを解説していますよ。
家族や友人にグチを聞いてもらう
不満を言わずにため込むと、ストレスがコントロールできなくなってしまいます
気の合う友人と話し合い、笑いあうだけでも「明日も頑張ろう」と思えることがありますよね。
『会話がストレスを低下させる』というのは本当です。
人に話すために、自分がいまどんなストレスを抱えていて、何が不満なのか、どうしたいと感じているかを説明する必要がありますよね。この作業によって、より冷静に情報や状況を理解できて、感情を整理できるようになるんです。
また楽しい会話をすることで多幸感をもたらすホルモン「エンドルフィン」や「βエンドルフィン」が分泌されます。これらは身体の免疫を高める効果があるので、ストレスをうけてもダメージを受けにくい体を作ってくれます。
多幸感をもたらすエンドルフィンやβエンドルフィンは、親しい間柄の家族や友人、信頼しているパートナーなどの『心を許している人』との会話で最も分泌されます。
できれば一緒にいて楽しいと思える人、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。
話す内容はグチでも大丈夫!
思いっきり文句を言って、一緒に怒ってもらえると、案外気持ちを切り替えられることもありますよ
感情のコントロール方法については>>看護師は女優?!|感情をコントロールしてストレスのない働き方を!で詳しく説明しているので、参考にしてください。
休養をとる
疲労は、たまればたまるほど取り除くのが難しくなります。毎日十分な睡眠を確保して、その日の疲れはその日のうちに回復させましょう。
休養をとることは、仕事の疲れやストレスなどの心身の疲労を回復させて、元の元気な状態に戻す効果があります。
また「明日も頑張ろう」と思える鋭気を養って、身体だけではなく精神的にも健康能力を高めることができます。
十分な休養のためには、連休をとるなど、時間を確保することが必要です。あなたの職場では、何日の連休なら簡単に取れますか? 有休を使って長い連休をとる場合は、師長への交渉が必要でしょうか。
その場合は思い切って師長に休みの交渉をしましょう!
最近、疲れが取れなくてツラい。
仕事の責任も増えて精神的にも疲れを感じる。
今後も仕事を続けるためにもしっかり休養を取って回復したいので連休をもらえませんか?
そうだったの!負担をかけていたのね。
分かったわ、ゆっくり休んで元気になってね!
きちんと交渉をすれば、たいていの師長さんは応じてくれるはずです。しっかり休養を取って鋭気を養いましょう!
遊びに行く
ストレス発散をしようと思うと、やはり友人と一緒に楽しく遊ぶことが一番ですよね。
たとえばテーマパークに行ったり、旅行に行ったり、自然を見に行ったり、話題のカフェに行ったり。
いつもと違う景色や非日常を体験することで気分が高揚しますし、気分を切り替えることができます。
テーマパークを歩き回ったり、ハイキングをしたり、公園で犬と一緒に走り回ったりして、軽い運動をするのもおススメです。
わざわざ外に出かけなくても、家の中で軽い筋トレをしたり、ストレッチをするだけでも充分です
軽い運動によってセロトニンの分泌が活性化して、心を落ち着けたり前向きな気持ちになる効果があります。
また運動に集中することで他のことを一時的に忘れることが出来たり、日ごろと違う刺激で気分転換にもなります。
公的な相談機関や、民間の相談機関を利用する
日本看護協会からも、看護師のメンタルヘルスケアに関する情報がでています
看護職の働き方改革の推進 メンタルヘルスケア 個人での対応(セルフケア)
ここでは公的な相談機関や、民間の相談機関の紹介もされています。
専門家に対応してほしければ、こういう所を利用するのが良いと思います。
モヤモヤ、イライラしても看護の質は落とさない!
ここまで、5年目看護師が仕事で感じる不満と、その対処法について解説してきました。
最期に、師長として私から5年目のあなたへのアドバイスです!
看護師経験が5年目になったあなたは、もうしっかりとした看護のプロフェッショナルです。
どの道のプロでも同じですが、プロの仕事は感情に左右されずに、常に一定の質を保たなくてはいけません。
感情に振り回されずに、自分の行動をコントロールする必要があるということです。
あなたにも、そういうことが求められていることを知っていてほしいと思います。
たとえば・・・
彼氏とケンカしても、親の体調が悪くても、仕事をするならいつも通りの笑顔と丁寧さが必要です。
たとえ患者に文句を言われても、その患者への対応を他の患者と差をつけてはいけません。
こういう心構えをもって、プロとして看護という仕事を続けてほしいと思います。
まとめ
今回は、5年目の看護師が感じるストレスについて解説しました。
5年目になると普段の業務ではほとんど困ることがなくなり、病棟業務に中心的に関わりはじめる頃です。
この記事では、5年目の看護師が感じる不満やツラさの詳細と、その対処法について説明してきました。
5年目看護師だからこそ感じる不満は、次の5つです。
- 何でも聞けばよかったころとは違う
- 「ただ不満を言うだけ」が出来ない
- 後輩や若い医師にイライラする
- プライベートのストレスもある
- クレーム対応や謝罪、ミスの報告はいつも私
そして、5年目看護師の不満への対処法は次の6つです。
- 主任や先輩に相談する
- 師長に相談する
- 家族や友人にグチを聞いてもらう
- 休養をとる
- 遊びに行く
- 公的な相談機関や民間の相談機関を利用する
5年目の看護師さんは、年齢的にも今後のキャリアについて悩みを感じやすい時期ですし、仕事の幅が広がって視野も広がるので、これまで気付かなかった様々な問題にも気付いて悩みが増えてしまう時期です。
看護師さんは全体的にまじめな人が多く、家族や友人にグチが言えなかったり、上司や先輩に不満を言って困らせてはいけないと我慢している場合があります。
まずは身近な人に話を聞いてもらったり、上司に不満をぶつけて対処法を一緒に話し合ってもらいましょう。
無理せず休みを取って、プライベートを楽しんで、仕事を頑張る元気を取り戻してください。
他にも、看護師の仕事がツラいと感じたときは>>【看護師の悩み】仕事がつらいと思った時に読んでほしいの記事も参考にしてみてください。
医師との対応や、リーダー業務の悩み、異動の不安などについてまとめて書いていますので、参考にしてください。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。